マンション購入知識 | ローンシミュレーション

インタビュー 浅井秀一氏(1)

 

住宅ローンの”中心選手”が変わった

 
 
浅井 秀一 (あさい しゅういち)
【プロフィール】
有限会社ストックアンドフロー代表取締役。ファイナンシャルプランナー(CFP)。早稲田大学在学中に相続と法人(同族会社)の清算を体験し、昭和63年に学生初のFP資格取得者となる。卒業後、独立系FP会社を経て現職。おもに個人に対するファイナンシャルプランを作成する傍ら、雑誌・新聞等への原稿の執筆や、講演会などで活躍中。「住宅ローンは、いま借り換え・繰上げ返済しなさい」(ダイヤモンド社)等の著書がある。
 
 
--この数年の住宅ローンを巡る変化をどうご覧になっていますか?
浅井 一番にいえるのは、公庫から民間へ、ローンの中心選手が変わった、ということです。以前のマイホームの購入では、公庫、年金を利用し、足りない分は民間融資で補う、というのがセオリーでしたが、そんな時代は完全に終わりつつあります。
 公庫に代わる長期固定型ローンが定着することなどを条件に、現在の公庫融資は新規の貸し出しが打ち切られる予定となっています。年金住宅融資についても、延滞などの事故が多発していることから、廃止が近い。自治体が定住者増加を狙って行なっていた自治体融資も激減しています。
 
---対して民間融資は、商品が多様化しています。
浅井 昔は「個人になんて貸せない」という態度だったのが、昭和50年代後半に変動金利型の住宅ローンが登場し、個人にも貸してくれるようになりました。変動型なら、金利上昇リスクを借り手に負わせることができますからね。ここ2〜3年は商品の多様化、金利優遇キャンペーンなども活発で、民間金融機関の力の入れようが分かります。現在はなんとしても貸したい、という雰囲気ですね。
 
どうなる?公庫と年金
 公庫の新規融資業務は、公庫に代わる長期固定型の住宅ローンが安定供給されるようになることを確認のうえ、平成18年度までに終了する予定だ。『証券化ローン(新型住宅ローン)』も登場しているが、現在の各行の設定金利は公庫より高めの水準にあり、利用が広がっていない。年金融資についても組織のあり方について検討が行なわれる予定。現状では協会転貸が取扱の多くを占めているが、多数の協会が取り扱いを停止。
 
--公庫、年金は長期固定で安心感があるのが魅力ですが、民間融資にも長期固定型が増えています。
浅井 好ましい傾向です。金利スワップなどの技術が進んだことにより、銀行もリスクをとらずに長期固定型の住宅ローンを販売することが可能になっています。長期固定を低金利で出せるのは資金調達力のある金融機関。そうでないところは証券化ローンで長期固定を提供する、ということになります。
 証券化ローンの金利を高く設定している金融機関については、お付き合いでラインナップに加えているだけで、自分たちで資金を調達し、自行のローンを売りたい、というのが本音でしょう。民間の金融機関は、その力によって完全にふたつに分かれたといえますね。
 
 
--証券化ローンの利用が広がらない理由は?
浅井 公庫のほうが金利が低く、圧倒的に有利ですからね。公庫としては、既存の公庫融資は存続したいし、最悪でも証券化ローンの拡大で組織の規模縮小を避けたいと考えているようです。でも公庫融資のほうが圧倒的に有利なので、利用者が増えない。そこで公庫との金利差を埋めるために、公庫の金利を引き上げる、という措置に出ています。公庫金利は財投金利に連動するものでしたが、財投金利に関係なく、当初10年間の金利を計画的に引き上げ、1年程度かけて当初10年間と11年目以降の金利差をなくし、同時に新型と同じ程度の水準に上げていくでしょう。証券化ローンを浸透させるために、公庫の金利が上昇しているわけです。
 
 
 
--長期金利の上昇により、ローン金利の先行きが気になります。
浅井 昨年6月から長期金利がアップ。来年には2%台に乗ると予想していましたが、それより早いペースで上昇しています。来年は金利上昇の本番となるでしょう。
 昨年、僕は住宅ローンのラストチャンスと言ってきましたが、今年はギリギリセーフの年となるでしょう。先行きが不透明ないま、多くのファイナンシャルプランナーは住宅は買うなと言っていますが、僕は必要な人はいい物件を見つけて、いいローンを組めるなら買ってもいいと言っています。昨年までの金利は異常なほどの超低金利でしたが、現在は"異常"がとれて普通の超低金利に。そしてこの先は4〜5%台になってもおかしくありません。本格的な金利上昇を控えた今、金利が低いときに長期固定を利用して買う、というセオリーを思い出すときだと思います。
 
住宅ローン金利の決まり方
 公庫の金利は財投金利(国が公庫などに融資する際の金利)に連動して決まる。ただし今年度からは証券化ローンと公庫との金利差を埋めるため、財投金利の動きとは必ずしも一致していない。民間金融機関の長期固定型は各金融機関が資金を調達する際の金利がベース。一般に長期金利(10年物国債利回り)が目安になる。変動金利型の金利は短期プライムレート(銀行が優良企業に短期で融資する際の金利)に連動するのが一般的。  
 
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