マンション購入知識 | ローンシミュレーション

巻頭インタビュー 第1回

 

住宅ローンは自分で選ぶ時代Part1

 
 
紀平正幸(きひら まさゆき)氏
[プロフィール]
URL:http://kihira.com/
ファイナンシャル・プランナー(CFP)。心理カウンセラー。日本FP協会常務理事。FPジャーナル編集長。東京FPコンサルティング代表。個人のライフプランの作成と診断を始め、暮らしにかかわる幅広い分野について、テレビのコメンテーターや、公的機関、金融機関、企業、大学、一般生活者などを対象とした講演、執筆、個別相談を行うかたわら、大学付属病院の精神科病棟で心理カウンセリングのボランティア活動を行う。
 
 住宅ローンをめぐる状況は激変しつつあります。
 右肩上がりの経済成長が続いた時代、金利は上昇するものであり、それがマイホームの取得を妨げると考えられていました。
そこで国は持ち家推進の政策として、昭和25年に住宅金融公庫による低利な長期固定型のローンを開始した。多くの人が中間取得層にも借りやすく、性別、職業を問わない公庫融資をフル活用し、住宅購入を実現させたのです。
 しかし、バブル崩壊後は金利が低下し、高金利の時に公庫融資を借り入れた人が、
   

金利の低い民間金融機関による住宅ローンに借り換える動きが活発化しました。
 民間ローンは商品の中身も金利も横並びでしたが、98年の金融の自由化によって金利にも差がつき始め、民間ローンは大きく変化します。
 ちょうど時期を同じくして、景気低迷に伴う企業の設備投資の減少や、業績悪化による不良債権化のリスクが高まったこともあり、法人向けの融資には慎重になってきた。その一方で、比較的安全な融資先である個人向けの住宅ローンに力を入れ始めたのも、競争を激化させた要因です。

 
 民間金融機関は預金や短期資金を住宅ローンの原資としているため、20年、30年という長期間の固定金利を設定することは本来なじみません。長期固定金利で融資すれば完済までの金利変動リスクを金融機関が負うことになり、その分、金利が高く設定されます。長期固定金利では、国の財政援助のおかげで低金利に抑えられる公庫には勝てないわけです。
 そのため、民間ローンの中心は変動型や期間の短い固定金利選択型になりますが、これらのタイプなら公庫より低利で提供することが可能になる。金利優遇キャンペーンも活発で、1%台という例もあり、購入者のなかには公庫より民間ローンを優先して借りる動きも目立っています。

     さらに、困難だった低利な長期固定型ローンを販売する民間金融機関も増えています。
 先陣を切ったのはノンバンク系のグッドローンで、米国では一般的な住宅ローンの債券を証券化する手法を採用しています。
全国の信用金庫の中央組織である信金中央金庫も長期固定型の住宅ローンを設計し、全国の信金が自社のローンと並行して販売(一部、信金を除く)。JAバンクも同様の動きをみせています。
 もともと信金やJAの領域であった個人向け融資を大手銀行が侵食してきたことで、利益率を下げ、金利上昇リスクを負ってでも、長期固定型の商品投入で対抗していく、という構図がうかがえます。
 
 特殊法人改革によって公庫は2006年度末までに新規融資を終了し、民間金融機関の住宅ローン債権を買い取り、証券化する事業を主とする独立行政法人となることが決まっています。
 そんななか、2003年10月から早くも、公庫による証券化を用いた新しい手法のローン取り扱いが始まりました。
 公庫の支援により、民間金融機関においても長期固定型が販売できるようになりましたが、金利は取扱金融機関によって異なります。必ずしも低利、というわけではありません。
     このローンを扱っても、民間金融機関にとっては大きな収益は望めないためです。それなら自行のローンを売りたい、というのが金融機関の本音。公庫の証券化ローンが一人勝ちする可能性は低く、むしろ民間ローンが充実する方向に進むのではないでしょうか。
 それだけに、選び方によって購入の損得が大きく分かれる時代になってきたといえます。次回はローン選びの方法についてお話しましょう。
       
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